「30代になってから急に白髪が増え始めた」と思う女性も多いのではないでしょうか。女性の白髪が発生するのは、だいたい30代半ば〜後半からと言われています。
なお、女性の印象は髪の状態で大きく変わります。初めて会う相手の場合、8割が視覚的要素で印象を決めると言われており、視線が集まる頭部はとくに大きな割合を占めています。
たしかに、白髪もなく、ツヤツヤでキレイな髪だと見た目年齢も若く見え、きちんとお手入れされているヘアスタイルだと清潔感のある美しい女性の印象があります。
しかしながら、薄毛については近年科学的に効果立証された治療や薬が確立されている一方で、「白髪」に関する予防や対策が難しいのが現状です。
皆さんは「白髪が生えた」=「染めるしかない」とお考えではありませんか。また、白髪が生えるメカニズムをご存じでしょうか。この記事では、白髪世代のお悩みに向けて、白髪の発生するメカニズムや、上手に付き合うコツを紹介していきます。
白髪が発生するメカニズムとは?
もともと髪の細胞には色がついておらず、生まれたての髪はすべて白髪なんです!
髪の黒い色となるメラニン色素を作り出しているのは、髪の毛の素である毛母細胞にあるメラノサイトという色素細胞で、毛根にある毛母細胞で作られたばかりの髪はメラニン色素が含まれていないので、メラノサイトが作り出すメラニン色素が取り込まれることにより、黒い髪となって生えてきます。
そのため、細胞に色がつかないまま成長したものが白髪なのです。
一度、白髪が生えてきてしまうと、白髪が抜けた後の髪もやはり白髪が生えてきます。これはその部分からメラニン色素を作り出すメラノサイトの機能が低下しているからです。
それでは、なぜメラノサイトの機能が低下するのでしょうか。明確には解明されていませんが、考えられる要因を以下にまとめました。
白髪になると考えられる6つの原因
①栄養不足
まず、年齢に関係なく白髪を招く最大の原因は「栄養不足」です。私たちの現代の食事は豊かになっているにも関わらず、現代人に不足している栄養素があります。それは「たんぱく質」です。
髪の毛は「ケラチン」と呼ばれるたんぱく質で構成されているため、素材となるたんぱく質が足りないと、白髪が増えるだけでなく、抜け毛や髪が薄くなることも増えてきます。そのため、バランスのいい食生活をとることが大切です。
②血行不良
血液は心臓から押し出されたあと、血管を通じて全身を巡って細胞一つ一つに酸素と栄養を届けます。実は、こめかみから上はほとんどが毛細血管です。そのため血流が悪くなると細い血管に血液が届きにくくなり、髪の毛を育てるために必要な栄養素が不足し、白髪が生えやすくなります。
③ストレス
全身の血流を低下させ、血行不良となる最大の原因は「ストレス」です。
血流に関係している自律神経には、「交感神経」と「副交感神経」があり、運動する際や緊張状態にある際は交感神経が優位になり、リラックスしている時は副交感神経が優位になります。
そのため、交感神経が優位のときは血管は縮小し、副交感神経が活発になると緊張がゆるみ血管が拡張します。だからといって白髪改善のために副交感神経が優位になるようにすればいいかといえば違います。
人間は、日中は交感神経・夜は副交感神経が優位になり、この二つが緩やかに入れ替わり、バランスのいい自律神経状態が、血流もスムーズになります。
しかし、ストレスが状態が長く続いたりなどすると、交感神経の優位な状態が続き、血流によって頭皮へ十分な酸素や栄養分が届きづらくなることで、白髪などのトラブルに繋がる原因になるのです。
また、必要以上のストレスを受けると、大量の活性酸素が発生し、体内のビタミンCを大量に消費します。活性酸素とは老化現象を加速化させるため、ビタミンC不足もその一因となります。
ストレスが原因の白髪は、ストレスを感じなくなってから数か月程度で白髪も改善していくといわれています。現代社会でストレスフリーで生活することは難しいですが、趣味の時間を作ったり、夜更かししないで早めに布団に入ったり、ストレス発散することを意識していきましょう。
④加齢
白髪の原因として、皆さんが最初に思いつくのは「加齢」ではないでしょうか。
やはり年齢を重ねるごとに体内のチロシナーゼ(メラニン色素をつくり出すメラノサイトが持っている酵素)は減少し、メラノサイトの働きが低下するため、髪が十分に黒に着色されず伸びてしまい白髪が発生します。
なお、加齢による白髪の場合は徐々にメラニン色素が作られなくなるため、白髪も徐々に進行していく特徴があります。
⑤紫外線
頭皮の老化は紫外線による”光老化”も主な原因のひとつとなります。頭皮はお顔の2倍近く紫外線を浴びている為、紫外線が頭皮にダメージを与えると、メラニン色素を作るメラノサイトが影響を受け、白髪の発生に繋がります。
白髪だけでなく、頭皮が紫外線にあたることで頭皮の老化が進行し、薄毛や抜け毛といった症状も引き起こしてしまいます。
また、紫外線による光老化が進むことで頭皮も硬くなり血行が悪くなるため、新しく生えてくる毛もパサついた傷みやすい毛となってしまうのです。
顔や腕などには紫外線対策を行なっていても、頭皮や髪までには手が回っていないことも多いかと思いますので、お出かけの際は頭皮や髪の毛にも紫外線対策をおこなって、紫外線から頭を守りましょう!
⑥出産
妊娠中に赤ちゃんの成長を支えていた女性ホルモンである「エストロゲン」は、産後に少しずつ減少していきます。エストロゲンは髪の毛の成長を促す働きがありますが、減少にともないメラノサイトの活動が衰え、髪の毛の色素が作られず白髪へと変化していきます。
産後は女性ホルモンが一気に変化したり、慣れない育児や家事にストレスが溜まり、白髪に繋がる可能性があります。
”気になる白髪をなんとかしたい!どう対応したらいい?”
白髪とうまく付き合う方法。
①バランスのいい食事を心掛ける
栄養素に気を遣うことで、健康的な身体髪の毛を維持することに繋がります。
髪の毛にいいとされている栄養素を意識して取り入れ、気を付けることで、健康的な身体や髪を維持することができるでしょう。
②白髪は抜かない
「白髪は抜くと増える」という言葉を耳にしますが、実は科学的根拠はないんです!だからといって白髪を抜くのは厳禁です。その理由は、白髪を抜くときに強い力が加わることで毛根へダメージを与え、毛周期(髪の成長サイクル)に悪影響を及ぼす恐れがあるからです。
毛根が傷つくとそもそも健康的な髪の毛が生えてこなくなる可能性もあるため、もし目立つようなところに白髪が生えた場合は、根元をはさみで切るなどして対処しましょう!
③白髪染めは極力使用しない
白髪が少ないうちは白髪染めを使用せずに、ヘアマニキュアやカラートリートメントで対処するのがおすすめです。白髪染めはおしゃれ染めに比べて髪が硬くなってしまう「アルカリ」という成分を多く配合しているからです。そのためおしゃれ染めに比べて髪が硬くなり、ごわついた手触りになってしまいやすくなります。
しかし、白髪の量によっては目指す仕上がりなどがあると思いますので、アフターケアをしっかりしてトラブルを回避しましょう!
髪は弱酸性のため、自宅で染めた際は、アルカリ成分を残さないように丁寧にシャンプーをして薬剤を洗い流します。頭皮に薬剤が残っているとかぶれや痒みの原因になりますので、洗い残しがないように注意してください。
シャンプー後は、キューティクルが剥がれていたり、開いているため、トリートメントなどでしっかり保護しましょう。また、薬剤によって頭皮が乾燥しやすくなっていますので、できれば頭皮用ローションでの保湿ケアもおすすめします。
④頭皮マッサージをおこなう
頭皮マッサージでの最大のメリットは、頭皮の血行を促進する効果です。頭皮マッサージやツボ押しをおこなうことで頭皮の血行も良くなり、血流量もUP!毛母細胞や毛髪にしっかり栄養を届けることができるため、白髪にも一定の効果が期待できます。
マッサージやツボ押しは自宅でもできる簡単なケア方法の為、ぜひ空き時間を使って取り組んでみましょう。
⑤ストレスを溜め込まない
現代社会において、ストレスなく過ごすことは難しいですが、少しでもストレスを溜め込まず発散できるように、軽い運動をしてみたり、趣味の時間をつくったり、映画鑑賞や読書で泣いたり笑ったりするのもいいかもしれません。
ご自身に合ったストレス発散方法を見つけてみましょう!ストレスがないのに急に白髪が増えたときは、食生活を疑ってみてください。
⑥頭皮と毛髪のUV対策
頭皮や毛髪の紫外線対策はUVスプレーで対策するのがお手軽です。お出かけ前や、スタイリング後の髪に、10〜15㎝ほど離してスプレーしてください。髪と肌兼用のものも多いため、鞄に一つでも入れておくと、お出かけ先でも簡単に塗りなおすことができます。お出かけ先ではUVスプレーをこまめに塗り直したり、夏は汗はなるべくタオルやハンカチでこまめにふき取るようにして少しでも紫外線から頭皮や髪を守りましょう。
頭皮や髪にUV対策として、直接つけるのはニガテな方は、帽子や日傘を利用してUV対策を行ないましょう。帽子は通気性がよく、ツバが広めで色が薄いのがおすすめです。
しかし、帽子はUV対策ができる反面、蒸れやすく頭皮によくない影響も考えられるため、帽子はなるべく通気性のいいものを選びましょう。
夏は、紫外線や冷房の影響をうけて乾燥も進むため、頭皮用の美容液を使用して水分補給しながらケアすることもおすすめです。
まとめ
白髪が発生する根本的な原因と、完全なる解決策はまだ解明されていませんが、白髪対策について少しでもできることからはじめていきましょう。